BIRCH SAP / AMINO ACIDS
森を巡る透明な樹液から見つかった、17種類のアミノ酸
長い冬が終わり、リトアニアの森に春の気配が訪れる頃。 白樺は大地から水分を吸い上げ、新しい芽や葉を育てる準備を始めます。
この短い季節にだけ採取できるものが、白樺樹液です。 一見すると水のように透明で、味わいも穏やか。 しかし、その一滴には、白樺の生命活動とともに運ばれていたさまざまな成分が溶け込んでいます。
リトアニアの白樺樹液から生まれるSIP SAPでは、 分析によって17種類のアミノ酸が確認されています。
アミノ酸は、私たちの身体を形づくるたんぱく質の材料であると同時に、 代謝や神経伝達、組織の形成など、多様な生命活動に関わる成分です。
A SHORT SEASON
春の短い季節にだけ流れるもの
雪解けが始まると、白樺は大地から水分を吸い上げ、 新しい芽や葉を育てる準備を始めます。 白樺樹液を採取できるのは、この流れが生まれる春の限られた期間だけです。
樹液は単なる地下水ではありません。 白樺の生命活動の中を巡りながら、糖、有機酸、ミネラル、アミノ酸など、 植物の成長や代謝に関わるさまざまな成分を運んでいます。
そもそも、アミノ酸とは
アミノ酸は、たんぱく質を構成する基本的な成分です。 筋肉や皮膚、髪、爪、内臓だけでなく、酵素、ホルモン、抗体など、 身体の働きを支えるさまざまな物質が、たんぱく質をもとにつくられています。
食事から摂ったたんぱく質は、消化の過程で小さく分解され、 アミノ酸などの形で吸収されます。 その後、身体は必要に応じてアミノ酸を組み合わせ、新しいたんぱく質をつくります。
たとえるなら、アミノ酸は言葉をつくる「文字」のようなものです。 同じ文字でも、並び方が変われば異なる言葉になるように、 アミノ酸の種類と配列によって、性質の異なる数多くのたんぱく質が生まれます。
アミノ酸は、生命を構成する「文字」のような存在。 組み合わせによって、性質の異なる数多くのたんぱく質が生まれます。
必須アミノ酸と非必須アミノ酸
人のたんぱく質を構成する主要なアミノ酸は20種類です。 このうち、身体の中だけでは必要量を十分につくることができず、 食事から摂る必要があるものを「必須アミノ酸」と呼びます。
成人に必要な必須アミノ酸は、一般に9種類です。 SIP SAPから確認された17種類の中には、 トリプトファンを除く8種類の必須アミノ酸が含まれています。
一方、体内で合成できるものは「非必須アミノ酸」と呼ばれます。 ただし、「非必須」は身体に必要がないという意味ではありません。 通常は体内でも合成できる、という分類です。
また、アルギニン、システイン、グリシン、プロリン、チロシンなどは、 成長期や身体の状態によって必要性が高まることがあるため、 「条件付き必須アミノ酸」として説明される場合があります。
白樺樹液から確認された17種類のアミノ酸
グルタミン酸、グリシン、アルギニン、システイン、シスチン、 セリン、アスパラギン酸、プロリン、チロシン、バリン、 ロイシン、イソロイシン、メチオニン、リジン、 フェニルアラニン、スレオニン、ヒスチジン。
01 グルタミン酸
うま味だけではない、代謝と神経伝達に関わるアミノ酸
昆布やチーズ、トマトなどの「うま味」に関わる成分として知られるグルタミン酸。 料理の世界で身近な存在ですが、身体の中ではアミノ酸代謝の中心的な役割を担っています。
多くのアミノ酸が体内で分解・変換される際には、アミノ基の受け渡しが行われます。 グルタミン酸は、その受け渡しに深く関わるアミノ酸です。
また、脳や神経系では主要な興奮性神経伝達物質として働き、 記憶や学習を含む神経活動に関与します。 抑制性神経伝達物質であるGABAをつくる材料でもあります。
ただし、食品から摂ったグルタミン酸が、そのまま脳内のグルタミン酸やGABAを増やすわけではありません。 神経伝達物質の量や働きは、体内で緻密に調整されています。
02 グリシン
小さな構造で、コラーゲンや神経系を支える
グリシンは、たんぱく質を構成するアミノ酸の中で最も小さく、単純な構造を持っています。 その小ささは、コラーゲン特有の三重らせん構造をつくるうえで重要です。
コラーゲンは皮膚だけでなく、骨、軟骨、腱、靱帯、血管など、 身体のさまざまな結合組織を構成しています。
グリシンは、脊髄や脳幹では抑制性神経伝達物質としても働き、 運動や感覚の調整に関与します。 さらに、ヘム、核酸、グルタチオンなどをつくる材料にもなります。
03 アルギニン
一酸化窒素と尿素回路に関わる、条件付き必須アミノ酸
アルギニンは成人の身体でも合成できますが、 成長期や身体的ストレスが大きい時期には必要量を十分につくれない場合があり、 条件付き必須アミノ酸に分類されることがあります。
体内では、一酸化窒素をつくる材料になります。 一酸化窒素は血管の内側などでつくられ、血管の緊張や血流の調節に関与します。
また、アルギニンはアンモニアを尿素へ変換する「尿素回路」の重要な中間物質です。 クレアチンの合成にも使われ、窒素代謝やエネルギー供給に関わっています。
04 システイン
たんぱく質の構造と、酸化還元バランスを支える含硫アミノ酸
システインは、分子内に硫黄を含む「含硫アミノ酸」です。 2つのシステインが結びつくとジスルフィド結合が生まれ、 たんぱく質の立体構造を安定させます。
髪や爪に多く含まれるケラチンの強さにも、この結合が関係しています。
システインは、体内の代表的な抗酸化物質であるグルタチオンの材料でもあります。 グルタチオンは、グルタミン酸、システイン、グリシンの3種類からつくられ、 細胞内の酸化還元バランスを保つ仕組みに関与します。
05 シスチン
2つのシステインが結びついた形
シスチンは、2分子のシステインが硫黄部分で結合してできる物質です。 システインとシスチンは無関係な別物ではなく、 酸化還元状態に応じて相互に関係する存在です。
シスチンは、髪、爪、皮膚の角質などを構成するケラチンに多くみられます。 体内では必要に応じてシステインとして利用され、 たんぱく質やグルタチオンの材料になります。
06 セリン
細胞膜、神経系、核酸合成を支える多用途なアミノ酸
セリンは、たんぱく質の材料となるだけでなく、 細胞膜を構成するリン脂質や、神経系に関わる物質の合成に利用されます。
セリンを含む代表的なリン脂質にホスファチジルセリンがありますが、 食品中のセリンとホスファチジルセリンは同じものではありません。 セリンは、その合成材料の一つです。
グリシンやシステインの代謝にも関わり、 DNAやRNAを構成する核酸の合成を支える一炭素代謝にも参加しています。
07 アスパラギン酸
エネルギー代謝と窒素代謝をつなぐ
アスパラギン酸は、アスパラガスから発見されたことに由来するアミノ酸です。 たんぱく質の材料であると同時に、エネルギー代謝や窒素代謝に関わります。
尿素回路では窒素の供給源の一つとして使われます。 また、アスパラギン酸からつながるオキサロ酢酸は、 細胞がエネルギーを生み出すクエン酸回路を構成する物質です。
さらに、細胞質とミトコンドリアの間で還元力を受け渡す 「リンゴ酸-アスパラギン酸シャトル」にも関与しています。
08 プロリン
コラーゲン特有の構造を支える
プロリンは環状の構造を持ち、たんぱく質の鎖に一定の曲がりや形を与えます。 特に多く含まれるのがコラーゲンです。
コラーゲンにはプロリンと、プロリンからつくられるヒドロキシプロリンが多く含まれ、 三重らせん構造の安定に関わっています。
ただし、プロリンを摂取すれば、そのまま皮膚のコラーゲンになるわけではありません。 コラーゲンの合成には、グリシン、リジン、ビタミンC、鉄など、 複数の栄養素や酵素が関係します。
09 チロシン
神経伝達物質、甲状腺ホルモン、メラニンの材料
チロシンは、必須アミノ酸であるフェニルアラニンから体内でつくられます。
ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリンなどの神経伝達物質やホルモン、 甲状腺ホルモン、髪や皮膚、瞳の色に関わるメラニン色素の材料になります。
このように複数の重要な物質の出発点となりますが、 チロシンを含む食品を摂れば、直ちに気分や集中力が変化するという単純な関係ではありません。
一つひとつは小さな分子でも、生命の中では互いに関わり合いながら働いています。
BCAAと呼ばれる3種類の必須アミノ酸
バリン、ロイシン、イソロイシンは、分子構造に枝分かれした炭素鎖を持つことから、 「分岐鎖アミノ酸」と呼ばれます。 英語のBranched-Chain Amino Acidsの頭文字を取った名称が、BCAAです。
BCAAは、ほかの多くのアミノ酸と比べて筋肉などの末梢組織で代謝される割合が高く、 スポーツ栄養の分野でも広く知られています。
ただし、新しい筋たんぱく質をつくるにはBCAAだけでなく、 すべての必須アミノ酸が必要です。
10 バリン
筋肉で利用されるBCAAの一つ
バリンは、食事から摂る必要がある必須アミノ酸です。 たんぱく質の材料となるほか、必要に応じて筋肉などで代謝され、 エネルギー供給やアミノ酸代謝に関わります。
また、身体全体の窒素バランスを保つ一部を担っています。 一種類だけを極端に多く摂るのではなく、 ほかの必須アミノ酸を含めた食事全体のバランスが重要です。
11 ロイシン
たんぱく質合成のシグナルとして注目される
ロイシンは、BCAAの中でも特に研究の多い必須アミノ酸です。 筋たんぱく質の材料となるだけでなく、 細胞内の栄養状態を感知するmTORと呼ばれるシグナル経路に関わります。
ロイシンは、筋たんぱく質合成の「スイッチ」にたとえられることがあります。 しかし、スイッチだけで建物をつくることはできません。 実際のたんぱく質合成には、ロイシン以外の必須アミノ酸も材料として必要です。
12 イソロイシン
筋たんぱく質とエネルギー代謝に関わるBCAA
イソロイシンも、身体で合成できない必須アミノ酸です。 筋肉をはじめとする身体のたんぱく質を構成し、 必要に応じてエネルギー源として代謝されます。
ロイシンとよく似た分子式を持ちながら、 原子のつながり方が異なる「構造異性体」です。 分解後は、エネルギー代謝につながる複数の物質へ変換されます。
13 メチオニン
たんぱく質合成の始まりと、メチル基代謝を担う
メチオニンは、硫黄を含む必須アミノ酸です。 細胞が新しいたんぱく質をつくる際、多くの場合に合成の開始点となります。
体内ではS-アデノシルメチオニン、通称SAMに変換されます。 SAMは、DNAの働きの調節や神経伝達物質、脂質などの代謝に関わる 「メチル基」を受け渡す代表的な物質です。
メチオニンの代謝には、葉酸、ビタミンB12、ビタミンB6なども関係します。 特定のアミノ酸だけを多く摂るのではなく、食事全体の栄養バランスが重要です。
14 リジン
たんぱく質合成とコラーゲン形成に関わる
リジンは、食事から摂る必要がある必須アミノ酸です。 筋肉、酵素、ホルモン、抗体など、多様なたんぱく質の材料になります。
コラーゲン中の一部のリジンは、ヒドロキシリジンへ変換され、 コラーゲン分子同士をつなぐ構造の形成に関与します。 また、脂肪酸をミトコンドリアへ運ぶカルニチンの合成材料の一つでもあります。
穀類では比較的不足しやすいことがあり、 大豆や豆類などと組み合わせて摂る食文化には、 アミノ酸を補い合う栄養学的な合理性があります。
15 フェニルアラニン
チロシンと、その先の生体物質の出発点
フェニルアラニンは、身体で合成できない必須アミノ酸です。 体内でチロシンへ変換され、 その先で神経伝達物質、甲状腺ホルモン、メラニン色素などの合成につながります。
なお、先天的にフェニルアラニンを適切に代謝できない フェニルケトン尿症では、厳格な食事管理が必要です。 このように、同じ成分でも身体の状態によって扱いが異なる場合があります。
16 スレオニン
たんぱく質と腸管粘液を支える必須アミノ酸
スレオニンは、トレオニンとも呼ばれる必須アミノ酸です。 身体のたんぱく質を構成するほか、 腸管を覆う粘液の主要成分であるムチンに比較的多く含まれます。
ムチンは消化管の表面を守るバリアの一部です。 腸管の粘膜は絶えず新しく入れ替わっているため、 正常な組織維持には適切な栄養供給が欠かせません。
17 ヒスチジン
成人にも必要な必須アミノ酸
ヒスチジンは、現在では成人を含めた人にとっての必須アミノ酸に分類されています。 古い資料では子どもにとってのみ必須と説明される場合がありますが、 現在の栄養学では、成人も食事から継続的に摂る必要があるとされています。
ヒスチジンは、たんぱく質の材料となるほか、ヒスタミンの原料になります。 ヒスタミンはアレルギー反応だけでなく、 胃酸分泌、神経伝達、免疫反応、覚醒などにも関与します。
また、ヒスチジンはβ-アラニンと結びつき、 筋肉や脳に存在するカルノシンという物質の材料にもなります。
17種類を、栄養学上の分類で整理すると
| 分類 | SIP SAPから確認された成分 |
|---|---|
| 必須アミノ酸 | バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、 リジン、フェニルアラニン、スレオニン、ヒスチジン |
| 非必須または条件付き必須アミノ酸 | グルタミン酸、グリシン、アルギニン、システイン、 セリン、アスパラギン酸、プロリン、チロシン |
| アミノ酸が結合した形 | シスチン |
SIP SAPからは、成人に必要な9種類の必須アミノ酸のうち、 トリプトファンを除く8種類が確認されています。
ただし、「8種類の必須アミノ酸が含まれていること」と、 「良質なたんぱく質食品であること」は同じではありません。
たんぱく質の栄養価を評価するには、それぞれの含有量、 必須アミノ酸のバランス、消化吸収性、1回に摂取する量などを確認する必要があります。
「17種類も含まれている」ことを、どう受け止めればよいのでしょうか
17種類という数字を見ると、 「それだけ多く含まれているなら、さまざまな効果が期待できそう」と感じるかもしれません。
しかし、栄養成分を考えるときには、種類と量を分けて考えることが大切です。
たとえば、ロイシンが筋たんぱく質合成のシグナルに関わることは事実です。 けれども、ロイシンが検出された飲料を飲んだだけで筋肉が増えるわけではありません。
グリシンがコラーゲンの主要成分であることも、 アルギニンが一酸化窒素の材料になることも事実です。 しかし、それぞれを含む食品に、 直ちに美容作用や血流改善作用があるという意味ではありません。
17種類という数字は、
効果を表すものではありません。白樺が春を迎える過程で育まれた、
自然の豊かさを知るための
一つの手がかりです。
白樺樹液は、サプリメントのように特定の成分を高濃度に配合したものではありません。 白樺が春を迎える過程で、その内部を巡っていた自然由来の液体です。
白樺樹液の成分を知ることには、どのような意味があるのでしょうか
白樺樹液の主成分は水です。 見た目は透明で、味わいも穏やかです。
けれどもその中には、白樺が春に向けて活動を始める過程で、 大地から吸い上げ、幹の内部を運んでいたさまざまな成分が溶け込んでいます。 アミノ酸も、その一つです。
植物にとってもアミノ酸は、たんぱく質の材料であり、 成長や代謝に欠かせない窒素化合物です。
白樺は土壌から取り込んだ窒素を利用し、 アミノ酸やたんぱく質などの形へ変えながら、 新しい芽や葉を育てる準備を進めます。
白樺樹液から複数のアミノ酸が確認されることは、 樹液が単なる地下水ではなく、 白樺の生命活動の中を巡っていた液体であることを物語っています。
白樺が目覚める、春のわずかな時間
リトアニアの冬は長く、森は雪と静寂に包まれます。
やがて気温が上がり始めると、雪解け水が土へ染み込み、 白樺の根が水分を吸い上げます。 新しい葉を開くために、白樺の内部では水分とともに、 糖、有機酸、ミネラル、アミノ酸などが移動します。
白樺樹液を採取できるのは、この流れが生まれる春の限られた期間だけです。 気温が上がり、葉が開き始めると、樹液の状態も変化していきます。
一年を通して同じように得られるものではなく、 冬から春へ移り変わる短い時間にだけ分けてもらえる、季節の恵み。 SIP SAPは、そのリトアニアの白樺樹液から生まれました。
17種類のアミノ酸は、商品の効果を誇張するための数字ではありません。
白樺樹液とは、どのような飲み物なのか。 透明な一滴の中に、どのような自然の営みが映し出されているのか。
その背景を知るための、一つの手がかりなのです。
まとめ|アミノ酸の「効果」ではなく、その役割を知る
SIP SAPの白樺樹液からは、17種類のアミノ酸が確認されています。
その中には、BCAAと呼ばれるバリン、ロイシン、イソロイシン、 コラーゲンを構成するグリシンやプロリン、 神経伝達物質などの材料となるチロシン、 窒素代謝に関わるアルギニン、グルタミン酸、アスパラギン酸などが含まれています。
それぞれのアミノ酸が身体の中で重要な役割を担っていることは事実です。 しかし、そのことはSIP SAPを飲むことで、 特定の作用や健康効果が得られることを意味するものではありません。
大切なのは、成分名だけを並べて効能を強調することではなく、 一つひとつのアミノ酸が、生命活動の中でどのような役割を持つのかを正しく知ることです。
白樺樹液は、透明で、穏やかで、一見するととてもシンプルな飲み物です。 けれどもその中には、長い冬を越えた白樺が、 新しい季節へ向かうために動かしていた多様な成分が含まれています。
自然を誇張するのではなく、自然を正しく知る。 そのことが、白樺樹液という飲み物の本当の魅力を伝えることにつながります。
静かな森は、毎年同じように春を迎えます。 白樺樹液もまた、その自然の循環の中から生まれます。